【論文】A03 グン 剣萍教授らの論文がACS Macro Letters掲載されSupplementary Cover Art採用されました


Flower-like Photonic Hydrogel with Superstructure Induced via Modulated Shear Field

Y. N. Ye, M. A. Haque, A. Inoue, Y. Katsuyama, T. Kurokawa and J. P. Gong

ACS Macro Letters, 2021, 10(6), 708-713

DOI: 10.1021/acsmacrolett.1c00178
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傾斜せん断場によって形成された超構造を有する花びら様のハイドロゲルの創製

生体組織は複雑な超構造に起因する精緻な機能を備えています。一方で生体組織に近い合成材料であるハイドロゲルにおいて、分子配向を制御するための効果的な手法がないため、超構造を導入することは困難でした。この報告では、ポリマーネットワーク間に配向したラメラ二重層を挿入することでフォトニックハイドロゲルを作成する手法を紹介します。自作の回転レオメーターを用いて重合性脂質分子とモノマーにせん断応力を掛けると、ラメラ二重層が配向しながら形成されます。その状態で重合をするとフォトニックゲルが得られます。ラメラ二重層の配向度は、半径方向で異なり、それが膨潤度の違いを生み出します。その結果、鮮やかな構造色とともに、中央に膨らんだドームと、エッジに花びら用の構造を有する巨視的な花のような形状を示します。半径方向の膨潤異方性から、ラメラ二重層の一方向配向に必要なせん断速度が評価できます。この研究は、ハイドロゲルのラメラ構造を形成するために必要な、定量的なせん断速度を初めて明らかにしました。