【論文】A03 長谷川 美貴教授の論文がChemistry Letters掲載されました


Strong Luminescent Europium Complexes Induced by the Unprecedented Anti-chelate Effect of Acyl Groups on a N6-Hexadentated Ligand

S. Ogata, H. Komiya, N. Goto, R. Tanabe, K. Sugimoto, S. Kawaguchi, K. Goto, M. Hatanaka, A. Ishii and M. Hasegawa

Chemistry Letters, 2019, 48(6), 593-596
DOI: 10.1246/cl.190140

 

 

N6の六座配位子を有するユウロピウム錯体のアシル基導入によるアンチキレート効果が発光を強める

 

A03長谷川美貴グループ(青山学院大学)は、これまで一連の希土類イオンに対し、2個のビピリジンをエチレンジアミンで架橋した配位子がキレート効果により窒素原子で六座配位する系を見出している。今回、そのエチレンジアミン窒素にアシル基を2個導入すると、窒素配位からアシル基酸素での2座配位に分子構造が変化することを見出した。単結晶構造解析により、ユウロピウムイオンと配位子は2:3の割合でユニットを形成しており、DFT計算からこの系では配位原子の電荷密度がキレート関係性よりも優先することも分かった。また、放射光粉末XRD測定から、アルキル基の炭素数が比較的短いと、多型を形成すること、またその多型形成が発光種に関わることを証明した。