【論文】A03 小林 範久教授の論文がPhys. Chem. Chem. Phys.掲載されInside Front Cover採用されました


Red luminescence control of Eu(III) complexes by utilizing the multi-colored electrochromism of viologen derivatives

K. Kanazawa, Y. Komiya, K. Nakamura, and N. Kobayashi

Phys. Chem. Chem. Phys., 2017,19, 16979-16988

DOI: 10.1039/C6CP08528H

 

電気化学的な刺激によって複数の光物性を協奏的に制御できる高次刺激応答性光機能材料・素子は、新規な調光システムへの応用が期待されています。我々はこれまで、電気化学的な刺激によって吸収を変化させるエレクトロクロミック(EC)分子と発光性分子の複合系において、EC反応による吸収変化に誘起される分子間エネルギー移動によって発光分子発光も協奏的に制御する研究を行ってきました。本論文では、シアン、マゼンタ、グリーンに着色する複数のビオロゲン誘導体のEC反応を用いて、ユーロピウム錯体の赤色発光を電気化学的に制御しました。EC吸収帯の違いによる発光制御効率への影響を、分子間エネルギー移動の観点から議論しています。