Preparation of Tough Double- and Triple-Network Supermacroporous Hydrogels through Repeated Cryogelation
S. Sedlačík, T. Nonoyama, H. Guo, R. Kiyama, T. Nakajima, Y. Takeda, T. Kurokawa and J. P. Gong
Chemistry of Materials, 2020, 32(19), 8576-8586
DOI: 10.1021/acs.chemmater.0c02911
繰り返し凍結重合法による高靱性ダブル−、トリプル−ネットワークポーラスゲルの創製
スポンジ構造と物質透過性を有するポーラスハイドロゲルは、組織工学および再生医療応用で大きな注目を集めています。しかしながら、多孔構造に依る材料の密度の低さは、乏しい力学物性に直結し、こういった材料の大きな課題の1つです。この論文では、ダブルネットワーク（DN）戦略と多段階凍結ゲル化技術に基づいて、強靭なマクロポーラスハイドロゲルを調製する簡便な手法を報告します。ゲル化剤を凍結状態で重合することで、氷晶が細孔構造となります。これを２回行うことで、マクロポーラス構造を有するDNゲルが得られます。得られたマクロポーラスDNゲルは、50〜230μmの連通孔構造を有し、最大100 kPaの圧縮弾性率を示します。これは、用いた化学種のポーラスシングルネットワーク（SN）ゲルの2〜4倍に相当し、80％の圧縮歪みで1MPaの圧縮強度を示します。また、マクロポーラスDNゲルは、SNゲルよりも1〜2桁大きい、最大38 kJ/m3の伸長仕事量を示し、高い伸縮性も有します。これらの高い力学物性は、上記の医療研究における材料側の要求を満たし、その応用を加速させることが期待できます。
