公募班(2020-2021)
曲面π共役分子の配座制御に基づく発光性ソフトクリスタルの開拓
キーワード
ベイポクロミズム、サーモクロミズム、サーキュレン、曲面π共役、ソフトクリスタル研究概要
固体発光性π共役分子はさかん研究されており、合理的な設計が可能になっている。しかし、高い発光性は剛直な骨格に由来しているため、構造変化に由来する外部刺激応答性を付与することは困難である。本研究代表者は曲面π共役分子であるテトラチア[8]サーキュレン酸化体1の配座制御に基づく発光性ソフトクリスタルの開拓を行う。曲面π共役分子1の結晶は加熱や溶媒蒸気への曝露といった刺激に応答し、A(1), B(1)の二つの結晶相間を可逆に相転移し、このサーモクロミズム・ベイポクロミズム現象が、結晶中で分子配座が鞍型から平面型へ変化するに伴い、空隙のサイズの変化とゲストの吸脱着が誘起されることを最近見いだした。これは曲面π共役分子の柔軟な構造に由来した特徴的な性質といえる。研究期間内に曲面π共役分子1の配座制御に基づくクロミズム特性の機構(相転移機構)解明を行い、その起源を明らかにする。そこで得られた知見を基に“曲面π共役分子の柔軟性”を生かしたソフトクリスタルの合理的設計指針の確立につなげる。

研究業績
関連ウェブサイト
連絡先
miyake@chembio.nagoya-u.ac.jp