公募班(2018-2019)
双安定性有機材料におけるテラヘルツ超高速スイッチング
キーワード
テラヘルツ、光制御、光誘起相転移、超高速分光、双安定性メモリ、メタマテリアル関連する研究者
研究協力者: 松井龍之介(三重大学工学研究科、准教授)研究概要
近年テラヘルツ波パルスの進展は目覚ましく、テラヘルツ波による物性研究は元より、テラヘルツ照射による相変化や非線形光学応答の研究が行われつつある。図1はテラヘルツ波の時間領域波形であり、高いピーク電場(500kV/cm)・磁場(0.15 Tesla)を有する。このような高ピーク強度をもつパルス光源であるテラヘルツ波により、その電場や磁場による物質状態の超高速制御が期待される。図2は、テラヘルツ波パルスと近赤外パルスの励起を組み合わせることによって、磁性体ErFeO3において、スピン再配列転移を誘起し、さらには照射するタイミングにより相転移後の磁化特性を超高速制御できることを示したものである(PRL 120, 107202, (2018).)。また、試料表面・試料中に微細金属構造(メタマテリアル)や微小金属クラスタを加えることにより、テラヘルツ強度をさらに増大させることも可能である。本研究では、外場の刺激に敏感な有機材料・ソフトクリスタル・双安定性物質を対象とし、テラヘルツ場による伝導状態の制御を試みる。


研究業績
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連絡先
nakajima-m@ile.osaka-u.ac.jp