佐藤 弘志

さとう ひろし
Hiroshi Sato
東京大学大学院工学系研究科
講師
A01

専門分野錯体化学・光化学・材料化学
公募班(2018-2019)

フェロセン環状オリゴマーを鍵とする2次元ソフトクリスタルの創成

キーワード
フェロセン、環状オリゴマー、結晶構造変化、酸化還元特性
関連する研究者
研究協力者: 土方優(名古屋大学大学院理学研究科、助教)

研究概要

構造柔軟性を有する2次元結晶、すなわち『2次元ソフトクリスタル』の合理的構築を目指し、結晶性2次元格子に動的機能を発現させる手法の開拓に挑戦する。本研究では、ユニークな形状に由来する回転可能部位「フェロセン」を用いる。従来研究では『回転挙動を結晶の動的機能に直接利用した例はない』という事実は注目に値する。その理由は、単純である。溶液状態でいくら動く分子を設計・合成しても、一旦結晶へ導くと分子同士が密にパッキングすることにより、互いの動きを妨げてしまうからである。すなわち結晶状態での動的挙動を実現するには全く違うアプローチが必要となる。一方、本研究代表者はこれまでに、さまざまな刺激応答性多孔体の合成を行うと共に、結晶構造解析を中心とした構造同定により動的機能のメカニズム解明に大きく貢献してきた。それら経験から、『互いに連動して動くことが強制される、すなわち協同的な動きを単純な幾何学的要請として導入することで2次元ソフトクリスタルの合理的な合成が可能である』と着想した。

2次元ソフトクリスタル実現のための戦略

研究業績

査読付発表論文

A01-14

  1. "One-Step Synthesis of an Adaptive Nanographene MOF: Adsorbed Gas-Dependent Geometrical Diversity" S. Suginome, *H. Sato, A. Hori, A. Mishima, Y. Harada, S. Kusaka, R. Matsuda, J. Pirillo, Y. Hijikata, *T. Aida, J. Am. Chem. Soc., 2019,141,39.15649-15655
  2. "Stepwise Expansion of Layered Metal–Organic Frameworks for Nonstochastic Exfoliation into Porous Nanosheets" V. K. Au, K. Nakayashiki, H. Huang, S. Suginome, *H. Sato, *T. Aida, J. Am. Chem. Soc., 141, 53-57 (2019).

関連ウェブサイト
連絡先
hsato@macro.t.u-tokyo.ac.jp