【論文】【共同研究】A02-02 松橋千尋 特任研究員、平野 教授、A01 植草秀裕 准教授、A02-03 佐藤文菜 講師らの共同研究の成果である論文がChem. Commun.掲載され、Back cover採択されました


Isomeric Difference in the Crystalline-state Chemiluminescence Property of an Adamantylideneadamantane 1,2-Dioxetane with a Phthahlimide Chromophore

C. Matsuhashi, T. Ueno, H. Uekusa, A. Sato-Tomita, K. Ichiyanagi, S. Maki and T. Hirano

Chemical Communications, 2020, 56(23), 3369-3372

DOI: 10.1039/C9CC10012A

 

 

フタルイミド発色団を有するアダマンチリデンアダマンタン1,2-ジオキセタンの異性体による結晶状態での化学発光特性変化

 

フタルイミド発色団1つを連結させたアダマンチリデンアダマンタン1,2-ジオキセタンを合成した。この化合物にはsynantiの異性体があり、これらを分離して結晶状態での化学発光特性を調査した。この結果、syn体はフタルイミド部位と1,2-ジオキセタン部位が交互に積層した結晶構造をとり、anti体はフタルイミド部位同士と1,2-ジオキセタン部位同士がそれぞれで積層する結晶構造であり、この結晶構造の違いを反映して、結晶内でのエネルギー移動効率や反応速度の違いを示した。XRD測定も踏まえ、化学発光の反応進行が発光で容易に追跡できることを示した。従って、化学発光性化合物は結晶内での速度論解析による学理解明に有用な化合物であることを明確に示すことができた。