【論文】A03 小林 範久教授の論文がChemical Communication掲載されBack cover採択されました


Electrochemically triggered upconverted luminescence for light-emitting devices

Haruki Minami, Takuya Ichikawa, Kazuki Nakamura, and Norihisa Kobayashi

Chemical Communication, 2019, 55, 84, 12611-12614

DOI: 10.1039/C9CC05845A

 

電気化学的な酸化還元に誘起される発光現象である「電気化学発光」は,溶液,ゲル,フィルムなど多様な媒体に適応でき,電極種や形状の自由度も高いことから,有機ELとは異なった観点からの発光素子へ向けた研究が進められています。著者らはこれまでに,交流電界を印加する手法にて電気化学発光の高強度化と高機能化について報告を行ってきました。本発表では,電気化学的に生成したRu(bpy)32+の励起状態からジフェニルアントラセンへの三重項-三重項励起エネルギー移動と,引き続く三重項―三重項消滅型のアップコンバージョンにより,ジフェニルアントラセンの一重項励起状態からの青色発光を観測しました。電気化学反応をトリガーとしたこのようなアップコンバージョン発光の観測は初めてであり,低電圧での短波長発光の実現や,化学物質センシング用途などへの応用が期待されます。

 

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