【論文】A03 石井 和之教授の論文がJ. Phys. Chem. B掲載され Supplementary Cover Art採択されました


Molecular Power Spring: Circular Dichroism Inversion of Polythiophene Aggregates from Right-Handed Helix to Left-Handed Helix

S. Hattori, S. Vandendriessche, T. Hirano, F. Sato, G. Koeckelberghs, T. Verbiest and K. Ishii

J. Phys. Chem. B, 2019, 123, 13, 2925-2929

DOI: 10.1021/acs.jpcb.8b11832

 

外部刺激によって分子の機械的運動が制御可能なシステムを、分子機械といいます。一般的な分子機械は、光照射、加熱、化学物質の添加など、連続的なエネルギーや物質の供給が必要であるため、エネルギー供給後、自発的に駆動する分子機械の開発は、魅力的であり挑戦的です。本研究では、濃縮後のポリチオフェンの円偏光二色性の時間変化測定により、準安定な右巻き会合体から熱力学的安定な左巻き会合体への自発的なキラル反転の観測に成功し、速度論解析により、反転可能な準安定右巻き会合体の調製条件を明らかにしました。これは自発的に駆動する新規分子機械(分子ゼンマイ)と捉えることができ、本研究は自発的分子機械のための設計指針を示しました。