【終了】光化学応用講座2018 -光機能性結晶材料の新展開:基礎と応用の先端科学共催

2018年
115

光化学応用講座2018               

-光機能性結晶材料の新展開:基礎と応用の先端科学-

主 催:  光化学協会
共 催:  新学術領域「ソフトクリスタル」
日 時:  2018年11月5日(月)10:30-15:55
会 場:  東京大学生産技術研究所 大会議室(An301・302)
(東京都目黒区駒場4-6-1)

 

「光化学応用講座」は、企業の研究者や学生を対象とする光化学協会主催の講座です。
今年度は、光機能性結晶材料に焦点を当て、新学術領域「ソフトクリスタル」共催で、平成30年11月5日(月)、東京大学生産技術研究所にて開催されました。プログラムは、光機能性結晶材料の物質創製・構造開拓に関する最新の研究開発動向とともに、光機能性結晶材料の機能導出および結晶構造予測や物性解明への理論的アプローチについて、世界を先導する研究者による講座、並びにこれらの研究に不可欠な分光計測と理論計算の先端技術紹介で構成されました。本講座には50名超の参加者があり、アカデミアのみならず産業界からの参加者を得て実施されました。

【プログラム】

■Welcome Remarks:光化学応用講座について  石井 和之(東京大学)

■蒸気応答する光機能性結晶材料   加藤 昌子(北海道大学)

■機械的刺激に応答する金イソシアニド錯体の仮説先行型デザイン   伊藤 肇(北海道大学)

■過渡吸収分光法の背景技術・製品・測定上のコツ  中川 達央(株式会社ユニソク)

■芳香族ケイ素化合物の新規合成プロセスの開拓と固体光物性   山野井 慶徳(東京大学)

■ソフトクリスタル解析のための結晶計算  後藤 仁志(豊橋技術科学大学)

■GaussianとGaussViewで解析する分子の励起状態   中山 尚史(コンフレックス株式会社)

 

午前の講座では、加藤昌子先生から、光機能性結晶材料の先駆けであるベイポクロミック結晶の基礎と応用性の概説の後、金属錯体の分子構造に基づく結晶設計法と物性評価法、構造-光機能性の相関が紹介されました。伊藤 肇先生からは、メカノクロミズムを示す金イソシアニド錯体の発見から最新の機能発現機構、分子設計指針と機能化について紹介されました。

午後は、最初にユニソク中川 達央様から、過渡吸収分光法の基礎と先端技術紹介がなされました。続いて、山野井 慶徳先生から、芳香族ケイ素化合物を題材に、有機合成法と結晶の光機能性評価法、デバイス化が紹介されました。後藤 仁志先生からは、分子性結晶を対象とする量子力学と分子力学を駆使した計算方法の基礎と結晶多型探索と構造予測の最新状況が紹介されました。最後にコンフレックス中山 尚史様より、励起状態の最新計算技術が紹介されました。

講座における先端研究に関する熱い講義と、ユニソク様とコンフレックス様からの有益な技術紹介には、終始活発な質問や議論が交わされ、受講者の光機能性結晶材料への理解が深まり、興味が拡がったものと期待されます。

講座終了後の交流会でも、講演者を囲んで講義内容を掘り下げた議論や研究交流につながる議論が活発に交わされました。